前回はお金持ちが最も警戒する国税庁の長官官房企画課がまとめた平成27年分の
「民間給与実態統計調査」から年収2000万円以上の人を見てきたわけですが、今回はさらに踏み込んで、その実態にもう少し迫ってみようと思います。
前回のポイントですが、
- 民間給与の支払い総額は巨額で約205兆円(GDPに占める割合で考えても民間消費がいかに大事か)
- 男性の平均給与は、521万円で女性は276万円
- 年収2000万円以上の給与所得者の割合は0.4%で約22万人
まず本日は、国民の義務である納税の観点から見てみましょうか。
そもそもなんですが、民間企業の1年を通じて勤務した給与所得者(約4794万人)の中で、
年収800万円以下の人の割合は約90%です。一方で、支払った所得税の割合では、約40%にしか過ぎません。
つまり、年収800万円以上の人が人数では10%にも満たないのに、所得税の約60%超を負担しているのです。
特に構成比の中で年収2000万円以上の人は0.4%しかいないのに所得税全体の約20%超を負担しています。結構大変なんですよね。この重税感は。。
給与所得2000万円以上の人の所得総額が、約7兆円に対して、所得税額は約2兆円、つまり所得の約30%を所得税で持っていかれているわけです。所得税額の支払いの全体平均が5%ですから。もちろん納税は国民の義務ですが。。これはあくまで国税である所得税だけでの話で税金は他にもありますからね。
それでは年収2000万円以上の人の会社規模別で見ていきましょう。これは稼いでいる人のパターンを理解する上で非常に参考になります。
まずは会社の規模で最も小さい資本金で2000万円以下の小規模な会社(個人事業主含む)において、
給与所得が2000万円を超える男性の数は、
約9万人
そして会社規模分類で一番大きな資本金で10億円以上の大会社においてはその男性の数は、
約15万人
年収2500万円超(国税庁の分類ではここが最高位です)のゾーンで見ると、それぞれ25,000人前後とほとんど変わりません。
この間にも色々区分はあるのですが、絶対数の多さはこの2つです。
つまり、この2つの両極端のゾーンに最も高年収の人が多いのですよ。
ここから読み取れるのは年収2000万円超を果たしたければ、
1)超一流企業のエリート戦士として役員あるいは超一流のプロフェッショナルとして高報酬を目指す。
2)小規模の会社を起業か役員としてビジネスを成功に導く。
上記の2つとももちろん簡単な事ではありませんが、どちらがより多くの人に可能性が高いのかは明らかですね。
私の周りにいる人は1)の方(例えば医師、弁護士、公認会計士、コンサルタントやファンドマネージャー)が圧倒的に多いのですが、1)から2)に移行してIPOを果たした人もいますしエンジェル投資家として有名な方もいらっしゃいます。
また大企業や特に国家資格を持たずとも2)一筋で大成功を収めている方も多数いらっしゃいます。むしろこちらの方が1)の人々より明らかにリッチなイメージがありますね。その理由は。。
とにかく、
スーパーカー、特にフェラーリのオーナーは、間違いなくこのどちらかに分類されます。あなたもそうでしょう。
唯一の例外は、凄い資産家の御曹司ですね。こういう方も一定数はいらっしゃいますが、私の周りでは少数派です。