マクラーレン720S
以前から何度か取り上げてますが、フェラーリオーナーと言えども気になる存在です。
私の周りのフェラーリオーナーもすでに「乗ってきたよ」との事でしたので、出遅れてしまったなと思いながら
マクラーレン東京にお邪魔してきました。
まずはショールームにてご対面です。
デザインは、ホホジロザメからインスピレーションを受けたそうで、言われてみれば流線型のボディはどう猛な捕食者のようでもあります。
とにかく大きな車に見えてフェラーリ488よりはるかに大きく横幅は812ぐらいかなと思ったのですが、
720Sのサイズは、4543x1930x1196mm
フェラーリ812が、4657x1971x1276mm
フェラーリ488が、4568x1952x1213mm
フェラーリに比べて全長は短く、全高は低く、なんと全幅はかなり小さくて、
1950mmを切っています。都内でも機械式に入りますね。驚きの数値で何度聞いても信じられませんでしたが。
ただしミラーを開いての全幅は、2161mm
なるほど納得と。
この展示車マクラーレン720Sの赤系の色は、
Memphis Redと言うそうで光の当たり方でボディラインのディテールがよくわかります。最近のフェラーリモデルの新色に似ているように思いましたが。。
ボディをじっくりと眺めて見ましょう。
まずはマクラーレンがダブルスキンと呼ぶドアでエアロダイナミクスへの取り組みが半端ないです。
F1マシンと同様の機能を持ち強力なエアフローによって、ダウンフォースと冷却効果を得ています。
さらにリアに回り込むと、アクティブ・ウイングが装着されています。
このアクティブ・ウイングですが走行状況に応じてまさにアクティブに可変して、
車に最適なダウンフォースを生み出すだけでなく、ブレーキング時には、エア・ブレーキとしての機能も果たします。実際に走ってるの見るとカッコいいでしょうね。
このアクティブ・ウイングの大きさですが、実際に見て見ると、結構な大きさですからコーナリング中のダウンフォースや急制動時のブレーキング時にはかなり有効でしょう。
この複雑な機能があるだけでもサーキットでは是非とも欲しくなりますが、ブレーキングが早すぎるとすぐにバレますね😅
この720Sで、200km/hからの完全停止な走行距離は、117mとのことでフェラーリ488GTBと全く同じです。
それでは、試乗車に乗り込んでみます。
マクラーレンといえば、印象的なドアオープニングがまさに非日常の体験ですよね。
前方に跳ね上がるダブルヒンジで開閉するディヘドラルドアのインパクトは見る者には大で、まさにスーパーカーであることを感じさせるだけでなく乗り降りをエレガントに演出します。
上の写真を良く見ていただくと、横にポルシェが停まっていますが、マクラーレンとポルシェの幅は、スーパーカーとしてはありえない狭さでした。開閉のための横スペースは意外と必要ありません。
フェラーリの長いドアだと乗り込むのに苦労したと思います。
サイドシルも低いし何と言っても屋根がえぐれていますので、ランボルギーニ・アヴェンタドールと比べても乗降性は非常に良いですよ。
マクラーレン720Sの主任コンセプトエンジニアによると
「結果として生み出されたマシンの姿は、特にドアが開いている時、圧倒的な美しさを放ちます。現実とは思えない夢のようなマシンです。」
これには全く同感です。
さて乗り込んで走り出したのですが、ちょうどトランプ大統領の来日時と言うこともあり試乗コースの港区赤坂、青山、六本木周辺は大渋滞でした。
という状況で、アクセル全開などとんでもなかったのですが、わかったことがあります。
まずは走り出して、感じたのが車が軽い!これは同じく700馬力オーバーのフェラーリ812やランボルギーニ・アヴェンタドールとは違うなと。
さらに、前方視界が広く、後方視界も抜群に良いので都内の渋滞路でのすり抜けが楽勝。
車幅が実寸ではあまりなくサイドミラーがダブルスキンドアから外に張り出していることもあり、後方視界が抜群に良いのです。
さらに、CピラーがCFRP製のモノコック「モノケージII」のおかげで非常にスリムでガラス越しに右後方(左ハンドル)もよく見えるのです。
乗り心地も、最近のスーパースポーツカーの流れを踏襲しており、「コンフォート」で走っている限り快適です。いわゆるストロークするしなやかな脚かと。
ただし570Sに比べると、ちょっと硬いかなと思いましたが。
とにかくマクラーレンのシャーシ性能は、渋滞路でも素晴らしくドライブしてても非常に気持ちいい。
フェラーリなどのスーパースポーツカーを毎日の足車として乗ることはなかなか考えにくいのですが、
720S
ありかもって思ってしまいました。駐車場もそれほど選びませんしね。
あえてネガを挙げるとすれば、低速域でのエンジン音ですね。刺激的でも官能的でもありませんでした。「トラック」モードにすると変わるのかなぁ。。
さらにフロントウインドウが大きくルーフもドアのガラス部分がありますので、おそらく外からキャビン内がよく見えると思いますので、お忍びのドライブには全く向かないですね。もちろん室内は明るくて気持ち良いんですが。
とにかく今回の試乗は生憎の渋滞路でしたがこの車の秘めたるポテンシャルは感じました。サーキットでは恐ろしく速くて楽しい車でしょうね。
このマクラーレンのシャーシにフェラーリのエンジンが欲しいと強く思った次第です。