唯一なものだらけの河口湖飛行館は大人のミュージアム!

前回に続きまして、河口湖自動車博物館から飛行館へ移動です。

ちなみにこちらの所在地は富士山麓の河口湖近くの別荘地の中にあります。周りには政財界の大物の別荘や有名なゴルフ場もある風光明媚なところです。この自動車博物館・飛行館は浮いた存在です。

これが入場券ですが、英語名が「Kawaguchiko Fighter Museum」です。つまりそのものズバリ戦闘機の博物館ってことです。

河口湖飛行館

河口湖飛行館

こちらの自動車博物館には入り口があって入場券を求めて玄関ホールに入り展示ホールへ至る、いわゆる博物館仕様です。

一方で、駐車場を横切った反対方向にある完全な別棟の飛行館は一言で言うと巨大な倉庫、いや格納庫と言った方が良いでしょうか。

こちらが飛行館となります。結構な人が前にいたので私も気づいたのですが、誰もいなければ入り口(写真の左手から)がわかりにくいかもしれません。

河口湖飛行館の入り口

河口湖飛行館の入り口

こちらの中に入るとまずは、復元が終わった銀色の「ハヤブサ」がお出迎えしてくれます。

1941年に正式に陸軍に採用された戦闘機として、海軍の「ゼロ戦」と並んで有名ですよね。

同じ中島飛行機(現SUBARU)のエンジンを搭載しながらも、上昇力や加速力ではゼロ戦の性能をも上回ったそうです。この横にゼロ戦が展示してあるので違いをじっくりと見ることができます。ゼロ戦のプロペラは3枚に対して隼は2枚でこれが性能差に繋がってるのでしょうかね。

「隼」は、5,700機ほど製造されたそうですが、海外で3機のみが現存しているとのことです。こちらの飛行館ではイギリスから2機分の残骸を購入して復元を完成したそうです。つまり

何と、日本唯一の現存する隼の復元機体です。

展示物の写真撮影自体はスマホではOKだったのですが、ブログや各種SNSへの写真掲載はNGということなのでご容赦ください。

「隼の」すぐ左手には

「零式艦上戦闘機」=「ゼロ戦」の21型が鎮座しています。

この21型は初期型モデルでまさに真珠湾攻撃等に使われた時の無敵時代の零戦です。こちらの展示機は90%以上のオリジナル部材と本物の21型エンジンを使って復元された

世界唯一の機体だそうです。その傍らには、本物のゼロ戦のエンジン、栄(さかえ)が展示してありましたよ!

空冷の複列星型14気筒エンジンでスーパーチャージャー付き

排気量は27,900ccで最高出力は、940馬力だそうで最高速度は530キロ

究極な目的に使われる戦闘機のエンジン、全く無駄なく作られてるものは、形も美しいですね。

ここまででも十分に凄いですが、その左手にはゼロ戦の内部構造がわかるスケルトン状態の21型の展示もあります。2機目のゼロ戦です。

さらに、その裏手には、

零式艦上戦闘機の52型が展示されています。3機目のゼロ戦です。

こちらは後期型のモデルでエンジンが1,150馬力と強力になり最高速は21型に対して30キロ向上して560キロに達したそうです。この機体のエンジンは昭和19年5月製造でした。すでに敗色濃厚な時期ですね。52型には空母艦載機として21型に見られた主翼の折り曲げ機構がありませんでした。

零戦は日本国内に復元されたものが10機ほどあるそうですが、こちらに何と2機もあるんですね。さらに靖国神社の遊就館に展示されている52型はこちらの飛行館が永久保存・展示のために奉納したものだそうです。ただし完全オリジナルなエンジンで今も飛べるものは世界中で52型の1機のみでアメリカLAの航空博物館にあるそうです。

とにかくこの飛行館ですが、隼と零戦3機だけでも凄すぎるのですが、

さらに全長20mにも及ぶ一式陸上攻撃機の胴体の展示がありました。2,400機もの一式陸上攻撃機が生産されたそうですが、

復元・現存の機体は世界唯一この展示機のみだそうです。

一式陸攻といえば、特攻専用小型機の人間ロケットの桜花(おうか)の展示もありました。こちらはさすがにレプリカでしょうね。

桜花は特攻機や人間魚雷の回天と並んで戦闘のための兵器と言うにはあまりにも非人道的で残酷なものです。でもこうやって先人たちは逃れられない運命の中で生きていたんですね。

そのおかげで我々は平和と繁栄を享受できているんだなと深く感じた次第です。

 

残念ながら昨今の極東アジアの我々を取り囲む状況は必ずしも安定・平和ではありませんね。

こちらの飛行館のコレクションは全て個人によるものらしく開館時期が8月だけなのでしょう。よくこれだけのものを世界中から集めてレストアしてるものだなあと。些少ながら寄付を。。

とにかくこちらの展示物は、機会があれば一度ご覧になることをお勧めしますよ。

飛行機好きならもちろんエンジン好き、車好きにも楽しめる場所で子連れでも大丈です。

しかし、色々と考えさせられる大人の場所でもあり一人で行ってじっくりとご覧になるのも良いと思います。

唯一なものだらけの河口湖飛行館は大人のミュージアム!” に対して2件のコメントがあります。

  1. 330P4 より:

    写真アップがNGなのは残念。
    旧日本軍の戦闘機などを修復するのは大変な作業でしょう。
    部品を作るにしても設計図などは破棄されているでしょうし。。

    今の平和と繁栄を先人たちに感謝しなくては。

    1. 管理人 より:

      復元するにあたっては設計図から起こしてのワンオフでの部品製作から行ったそうですよ。すごい事だと思います。是非ともご自身の目でご覧くださいませ。

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