メルセデス新型「Sクラス」はどこが進化したのか?

メルセデス・ベンツの新型「Sクラス」

メルセデス新型Sクラス@お披露目会

メルセデス新型Sクラス@お披露目会

世界中のラグジュアリーセダンのベンチマークモデルですから、メルセデスの気合の入り方は半端ないはずで今回の新型では、新エンジン、マルチパーパスカメラ、ヘッドライトなど、新たなコンポーネントを6500点以上採用したとか。

それでは新モデルの進化について見ていきたいと思います。

メルセデス・ベンツのフラッグシップモデル、先代Sモデルのコンセプトは3つでした。

  1. Intelligent Drive
  2. Efficient Technology
  3. Comfort

これらを実現して2013年に登場した先代モデルは、累計販売台数が世界で30万台を突破し大成功でした。このセグメントでは他のプレミアメーカーに対して圧倒的な強さでした。

私も非常に微力ながら貢献させていただきました。初めて取引先の社長の車の後席に乗せてもらって「Comfort」に感動したのをよく覚えています。

まずは「Intelligent Drive」の進化ですが、

「アクティブステアリングアシスト」という新機能が追加となっている。これは、車線が不明瞭な状況でガードレールなどを認識し、先行車との車間距離を維持しながらステアリング操作をアシストする機能です。車線が不明な道路って高速道路でも古い道路だと意外とありますからね、これはありがたいですがどこまで信用していいのか。ただ少なくともガードレール方向にはぶつからないのはプラスですね。

「アクティブレーンチェンジングアシスト」が追加されました、これは移動したい車線側のウインカーを点滅させると10秒以内であればシステムが車線変更が可能かどうかを確認し続け、自動で車線変更を行ってくれるというものですが、高速道路のみでの作動です。この機能はどこまで信用していいのか、後ろからぶっ飛んでくる車がいますからねぇ、ちょっと疑問ですね。仮に事故が起こっても自己責任でしょうから完全に任せるのは危険かと。

「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」では高速道路での渋滞時に自動停止した際、30秒以内に先行車が発進した場合は、ドライバーがアクセルを踏まなくても自動で再発進する(一般道では3秒以内だそうです)自動再発進機能付となりました。先代モデルでは完全に止まるとアクセルを入れる必要があったので、これで高速道路での渋滞においては完全自動運転ですね。オーナードライバーの疲労軽減の効果は間違いなく大きいはずです。

「マルチビームLED」は片側84個のLEDを個別に制御してより広い範囲を明るく照射するそうでさらに前走車や対向車がいないと最長650メートルを照射するウルトラハイビームを搭載とのこと。先代モデルではLEDインテリジェントライトシステムのモードは限定的でアウディのマトリクスLEDには大きく遅れをとっていましたからこれは期待できますね。現物を早く試してみたいものです。

何と言っても全く新しいのはテレマティクス機能である

「Mercedes me connect」の採用でメルセデス・ベンツの次世代の戦略的キーワードは、

4つでCASEと呼んでいるそうです。

  • Connectivity
  • Autonomous Driving
  • Sharing
  • Electrification

新型SクラスにはConnectivity機能が新たに搭載され、スマートフォンの操作での駐車、ドアのロック・アンロックなどができるようですが、新しい「おもてなし」として

メルセデス・ベンツ24時間コンシェルジュサービスが導入されました。これはレクサスで大好評なもので、Sクラスのオーナーからの突き上げも大きかったようです。

確実にラグジュアリーセダンのベンチマークとしておもてなしを進化させていることは間違いないですね。

一方で、「Efficient Technology」の進化ですが、

ハイブリッドモデルが消えたのでカタログ上も単に「Technology」の表記となり「Efficient」が消えました。先ほどのCASEを見ると最後に「Electrification」が入っていますからさらに次世代のSモデルは電気が本命かもしれません。

この分野での進化は、S400に搭載される3.0ℓのV6エンジン単体の最高出力が367PSと先代の306PS(他に電気モーター27PS)から大幅にアップしていることがまず一つと、

Sクラスの全モデルに電子制御9速A/Tが採用されました。多段化による滑らかで俊敏な変速により上質なスポーティドライビングと燃費向上を実現とのことです。

さらにV8エンジンのS560には無駄な燃料消費を抑える4気筒が休止するシリンダーマネジメントシステムがついに採用されたのと全天候型フルタイム四輪駆動システム4MATICモデルの追加でしょうか。ただし V8モデルのエンジンの最大パワー&最大トルクとも

455PS/71.3kg・m→469PS/71.4kg・m

ですからあまり変化はないようですね。この分野はメルセデスの迷いと過渡期を感じさせます。

「Comfort」の進化ですが、

先代で完成され尽くしていた感があるので、どうでしょう。アンビエントライトが64色と大幅に増えたと言っても、どれくらいのインパクトかといえば明らかに小さいですね。

ここはほぼ変化なしのようで、特段の進化はないと思います。S400のみがショートボディで、それ以外のモデルは全てロングボディでComfortの観点からはロングボディの優位性は圧倒的です。

最後に車両価格(消費税込み)の進化について、

S400が、1128万円です。S400hが1112万円ですからほぼフラット。

S560が、1646万円です。S550が1622万円でしたから同じくフラット。

S560 4MATICが、1681万円です。こちらはS560対比でお買い得価格か?

S600が、2331万円で2295万円からの値上げですからこの車を買う人には誤差でしょう。

早く試乗車に乗ってみたいもんです。

メルセデス新型「Sクラス」はどこが進化したのか?” に対して2件のコメントがあります。

  1. マスターshibuya より:

    私も300hを乗ってます。重量と硬性を考えてオプション無しです。街乗りでもリッター15kmは走ります。私のディーラー担当者も言ってました『儲からない』と…

    ラインナップから外されたのは、あまりにも優秀なトルク76kgと燃費にあると思います。
    巡航速度130km以上を維持できない日本では、時速130kmまで最速で引っ張れれば十分です。
    また航続距離も長い。

    信頼性と長持ちのディーゼル、メーカーはSクラスで息が長いことを恐れたのかもしれません。代表的なのが300D(w123).

    私はモデルチェンジするときに、V6 3000cc ターボディーゼルハイブリットを望んでいました。
    夢は消えました…S400h ブルーテック。

    余談ですが、『スマート ターボカブリオ』いいですね。
    250ccクラスのスクーターなら、シグナルスタートでタメについていきます。
    高速道路も120km巡航O.K.です。
    小回り効くし(2m半位の道路で切り返してUターン)、駐車スペースには困らないし(スーパーの出入り口付近にチョコンと)。
    Sクラスの真逆で楽しんでます。

    1. 管理人 より:

      マスターShibuya様
      貴重なコメント有難うございます。
      S300h、良い車ですよね。高速中心の私には非常に満足度が高い車です。おもてなしcarとしてお客様乗せると非常に喜んでもらえますしね。シティホテルでもどこでも恥ずかしくないし。。
      今回のSクラスのマイチェンですが、ディーゼルハイブリッドの正常進化に4輪駆動を期待していた私としても非常に残念でした。メーカーのマーケティングの方にもお願いしてたんですがねぇ。出たら買うよと。。

      「スマート」、実は私も都内乗りで気になっていたところです。ロケットスタート可能で高速巡航もいけますか!!
      まさにSクラスの真逆で面白いカーライフを楽しまれてますね。
      またいつでもコメントよろしくお願いいたします。

      管理人

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